2011年5月28日土曜日

ふるさとNo.51

                                                                           2011. 5. 25
                                                                                           坊岡住民のくらしと命を守る会
北但行政が謝罪文~情報公開文書を間違えた?(5/13)
  「坊岡住民のくらしと命を守る会」は環境省に対し、5月7日に質問書を出し、10日に担当官と面談しました。環境省と北但が情報公開した交付金申請の金額欄に違いがあったからです。北但の21年度分の「当該年度事業費」は0円なのに、環境省のものには1億3千万余円となっていました。環境省の担当官は「兵庫県から来た文書には書き込まれていた。調べて回答する」と答えました。
  北但行政から5月13日付文書が当会に届きました。「ふるさとNo.50」を読んでミスに気付いたのこと。「・・保存文書を複写し開示すべきでありましたが、誤った内容のパソコンデータを安易に使用してしまった組合側の情報公開事務処理上のミスでありました」とお詫びしていますが、何とも頼りなく、理解し難い言い訳に聞こえます。行政が市民に謝罪すること自体、前代未聞ですが、このお詫びでも疑問は消えません。北但は事業の現場です。現場が「当該年度事業費」が0円としているものが、県を通すと、同じ日付で1億3千万余円が事業で使ったことになっていることは書類の取り違えでは説明のつかない疑問が深まり、納得できません。
 北但行政が「ふるさと」を読んで自分たちの間違いをこれほど素早く訂正できるのであれば、もっとよく読んで、今進めている焼却だけに頼るごみ政策、過大なごみ処理施設計画を訂正してほしいものです。北但行政には21年度の「調査費」なるものの詳細を情報公開請求をしています。
環境省担当官からも回答文
 「北但行政の事務処理上のミス」という回答文が会に届きました。21年度交付金の領収書、請求書なども同封されていましたが、日付に疑問があります。議会でしっかり討議して、市民に納得のいく説明が求められます。
環境省もごみ削減に関心~いい削減案があったら教えて下さい(担当官)
 環境省担当官との会談では、北但事業の過大なごみ量予測の過大施設建設は見直すべき旨を当会は訴えました。現有施設の半分量しかないごみを増やす目標値など廃棄物処理法違反、環境省大臣指針にも反しています。「市民参加のごみ政策をすれば、もっと焼却ごみは減らせる」ことなどを訴えると、担当官は「そのような話し合いには今後も応じる」と答えました。
ごみ行政は地方自治の大事な仕事
  豊岡市議会、北但議会で「ごみ問題は地方自治の問題」と盛んに発言しています。だからこそ、市町村はまず、住民意見と実態を正しく反映した「一般廃棄物処理基本計画」を作ることが廃棄物処理法で定められているのです。豊岡市はそれもせずに、住民に情報を隠し、国と県の広域ごみ処理政策に乗って計画を進めてきました。「ごみを出す人だけの問題」などという幼稚な口実で、地方自治の基本をすり替えてはいけない。
立木トラストの協力は環境を守る願い
  原発事故で放射能汚染の広がりは深刻です。国や行政の言う安心安全ほど信じるに足りるものではないことを痛感させられました。ごみ焼却が環境に与える影響はダイオキシンを初め数多くあり、世界中で知られていることです。原発を安全と言いくるめたように、大量生産、大量消費を支えるために「焼却は安全で効率的」と言っているに過ぎません。
 国や行政のうそに対し、環境を守りたい意思を立木トラスト協力者は示してくれています。環境を守るのは一人一人の意思と行動でしかありません。尊い志を踏みにじる議会発言や行政の行動に抗議します。
岩佐恵美さん講演会 ~韓国ごみ事情 ごみはほとんど燃やさない
  「北但ごみ問題の会」は6月19日(日)午後2時より「じばさん」5階ホールにて
ごみ問題を考える学習講演会を開きます。岩佐恵美さんは環境・資源・廃棄物研究家。
  著書:考えてみませんか?ごみ問題

ふるさとNo.50

                                                                           2011. 5. 14
                                            坊岡住民のくらしと命を守る会
北但行政、ズルズル延ばしの地域計画
 今年2月、北但行政は環境省に「循環型社会形成推進地域計画」(地域計画)の3度目の変更を出していました。国からの交付金はこの「地域計画」に基づいて支払われることになっています。焼却炉本体工事建設の開始時期を22年度から23年度に延期していました。しかし、23年度の予算案を定める北但当初議会では、本体工事の予算化は行っていません。23年度建設開始というのはまったく見せかけです。       
北但行政と環境省で交付申請書に食い違い
 北但行政が情報公開した21年度の交付申請書には「当該年度事業費」は0円、「調査費」も0円となっていました。ところが環境省が情報公開した同じ申請書には「当該年度事業費」と「調査費」が書き込まれており、453万円の交付金が支給されていました。公文書偽造です。(詳細は次号)
―ムダで巨大な焼却炉計画は根本的見直しが不可欠ー
 当初、平成18年度を開始年度としたこの地域計画は合併特例債や焼却炉への交付金を当てにして進めた計画ですが、これまで大きくは次の事態がありました。(国、県の主導で、平成10年から広域ごみ施設建設の動き)
 ①当初の予定地が住民の反対で変更になり、坊岡の反対地主が土地を売らないと宣言しているので土地入手不可能。(平成16年上郷に。平成19年白紙撤回。平成20年森本・坊岡に)。
 ②右肩上がりの成長は終わり、人口減少の時代に入り、この間に市民によるごみ減量努力などにより、大幅にごみ量が減り、当初計画のような大きな焼却施設がいらなくなりました。現有施設の半分しかごみ量はありません。
そこで本来なら、計画の根本的見直しを行う必要があったのです。ところが、当初計画にこだわり、計画を延ばし続けてきました。こうした対応で喜ぶのは大きな焼却炉の建設で潤う業者や業界、天下る役人達だけです。
 ごみ焼却炉の建設にあたっては、市町村はごみの減量策を盛り込んだ「一般廃棄物処理基本計画」を作成し、それに基づきごみ処理策を進める必要があります。これは廃棄物処理法で定められています。この法律に基づき多くの自治体では、ごみのリサイクル・資源化を進め、建設するごみ処理施設をできるだけ小さくしたり、ごみをゼロにする試みを進めています。
自治体が責任をもって、住民と共に進めるごみ処理政策を!
ところが北但行政を構成する豊岡市、香美町、新温泉町ではこのような取り組みが
行われないまま計画を進めてきました(住民監査請求で明らかにしたように、違法にも北但が施設規模に合わせた各市町の基本計画を作っていました)。 住民参加でもっとごみを減らす計画を立て直そうとしないことが問題なのです。抜本的な基本計画の見直しが必要です。
焼却だけに頼らないごみ処理策を今こそ創るとき 
東日本震災の被災ごみの撤去は大きな問題です。焼却一辺倒の日本のごみ処理が新たな環境汚染を引き起こすことも障害になっています。焼却炉さえ保たないのです。ごみ処理もエネルギーも徹底してムダをなくし、環境に負荷を与えない方法を国も自治体も市民も一緒に考える時代です。世界の3分の2の焼却炉がある焼却大国、日本が問われています。大量生産、大量消費を支えるためのごみ処理から脱する機会です。

ふるさとNo.49

                                                2011. 4. 20
                                                   坊岡住民のくらしと命を守る会
東日本大震災の復興に全国の協力を  
   未曾有の地震・津波に襲われた東北の復興に心を寄せたいものです。不用不急の公共工事予算を全て復興に振り向けるべきです。
ごみ問題は原発問題と同じ
 福島原発事故は未だ収束せず、国や学者のいう「絶対安全」がいかに危ういものか私たちに教えています。国や電力会社は放射能の怖さをこれまで地元にあまり語らず、知らせずにきて、住民に避難生活を強いています。深刻な汚染が広がっていると思われます。
 焼却炉を建てることに熱心な行政は、焼却による大気汚染を「まったく問題ない」といいますが、ごみ焼却の危険性は世界が指摘しています。日本は78%のごみ焼却率で世界一です。空や地を「ゴミ捨て場」にするごみ処理は考え直さなければ、後世に環境汚染という負の遺産を残します。
 これからは食べ物もエネルギーも地産地消、ごみの始末も地域が基本です。
住民監査請求で指摘した 水増しごみ量の過大施設規模
   豊岡市も香美町も新温泉町も独自の「一般廃棄物処理基本計画」は作っていませんでした。北但行政が施設建設のために作る基本計画に合わせて、コンサルタントが各自治体の分を作り、形だけ議会の承認をしたことが、情報公開の会議録にはっきり書かれています。これは自治体がごみ減量策を盛り込んだ「一般廃棄物処理基本計画」の策定を義務づけた「廃棄物処理法」に違反しています。
 
 人口予測の過大には北但議会で与党議員も呆れていました。平成22年で3,453人も実際より多く、平成30年には5,000人以上多く予測しています。
 その上、焼却ごみ原単位(一人が一日に出すごみ量)は増えていく予測をしています。
その上、重金属汚染が心配される汚泥を焼却ごみに加算し、80日以上の施設休止を見込んで、その上、余裕を持たせて、174㌧が妥当と行政は説明しました。監査委員会もそれに追随しました。現有施設の半分量しかないごみが、ここまで水増し出来ることに驚くばかりです。しかし、ごみ原単位が増えていく前提の計画値は、ごみ減量を義務づけた廃棄物処理法に違反しています。過大施設を民間に丸投げして、何を燃やされるか分からない危険があります。
環境省に請請書を提出(3/26)
  廃棄物処理法に明らかに違反している北但行政の事業に、国が予算をつけることは「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の第6条第1項に違反している旨を担当官に送付し、予算内示の取り消しを求めました。(4/1神戸新聞報道)
環境省担当官に再要望書を提出(4/11)
  違反を承知で補助金をつけたならば、国の責任となります。